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トップページ > 市川市の消防手続サポート > 消防訓練のシナリオはどう作る?店舗・事業所の役割分担と進行例を解説
執筆:行政書士 来嶋 功太(来嶋行政書士事務所) | 公開日:2026年9月30日 | 最終更新日:2026年10月1日
消防訓練の日程は決まったものの、誰が何をし、どの合図で動けばよいか迷っていませんか。シナリオは、出火の想定から通報・初期消火・避難誘導、終了後の確認までを具体的な行動に落とし込むための進行表です。本記事では、店舗・事業所での作り方、役割分担、進行例、市川市で準備する際の確認事項を解説します。
消防訓練のシナリオは、行動を確かめるために作る
シナリオにまとめる基本事項は、訓練の目的、出火場所や時間帯の想定、参加者と担当、進行役の合図、各担当の行動です。読むだけの台本にせず、誰が誰へ知らせるか、どの経路で避難するか、どこで人数を確認するかまで、施設の消防計画と図面に合わせて整理します。
訓練が必要な対象や回数、事前通知、実施記録の制度は、関連記事「消防訓練は年2回必要?」で解説しています。ここでは、実際に動ける進行例の作り方を中心に紹介します。
シナリオ作成前に整理する3つの事項
別の施設の台本は参考になりますが、そのまま使えるとは限りません。防火管理者等を中心に、消防計画、平面図、設備の位置、当日の勤務体制を確認し、今回確かめたい動きを決めましょう。
訓練の目的と、実際に起こり得る場面
「火災の発見を周囲へ伝える」「少人数で客を誘導する」など、確認したい目的を具体化します。出火場所、営業時間中か開店前か、来店客や職員がいる範囲も設定します。最初から複雑な条件を重ねず、参加者が基本の動きを理解できる想定から始め、慣れてきたら時間帯や使えない避難経路などの条件を変えて課題を確かめます。
設備の位置と、安全に移動できる避難経路
消火器、火災報知設備、出入口、階段、集合場所を図面と現場で照合します。避難口の施錠や通路の物品など、訓練の前に改善する必要がある点も確認しましょう。警報設備の操作、実際の放水、訓練用器具の使用を予定する場合は、建物管理者、警備会社・設備業者、消防署等と方法・安全対策を事前に調整します。設備を動かす場合は、他の設備との連動や終了後の復旧方法も確認します。
役割分担と、少人数でも実行できる体制
進行役、火災を発見する役、通報連絡、初期消火、避難誘導、集合後の確認などを、消防計画と実際の人員に合わせて割り当てます。担当名だけでなく、連絡相手と報告内容まで決めます。少人数の施設では、一人に同時にできない作業を重ねないことが大切です。テナントの場合は、建物側への連絡や共用部分の誘導とのつながりも確認します。
出火想定を決め、担当者の動きと合図を書き、当日の実施方法を確認します。以下は準備の手順です。実際の火災対応では、通報・初期消火・避難誘導を必要に応じて並行して進めるため、一つの担当の終了を全員が待つ台本にはしません。
STEP1 出火場所と訓練開始時の状況を決める
例えば「営業時間中の店舗で、従業員が厨房付近の火災を発見する」と設定し、客と従業員の位置を図面に示します。これは記事上の参考例であり、各店舗の設備、間取り、営業形態に合わせた調整が必要です。参加者には実際の火災との違いが分かるよう、訓練の範囲と開始・終了の合図を共有しておきます。
STEP2 進行役の合図と担当別の行動を対応させる
「厨房付近で火災を発見した想定です」という合図に対し、発見者が周囲へ火災を知らせ、責任者へ場所と状況を報告する、というように書きます。その後も、合図、担当、行動、確認する点を対応させます。台詞の暗記よりも、相手に情報が伝わったか、次の担当が判断して動けるかを確認できる内容にします。
STEP3 通報・初期消火・避難誘導の連携を入れる
通報役は施設名・所在地・出火場所などを伝える練習をし、避難誘導役は客への声掛けと安全な経路の案内を確認します。初期消火役も、使用する器具の位置や取扱いとともに、消火が困難な場合の避難を確認します。訓練参加者間の模擬通報と、実際に119番へかける通報訓練は別です。119番へ発信する訓練を予定する場合は消防署へ事前相談し、指示された方法で行います。
STEP4 実施方法と中止条件を事前に確認する
進行表を関係者で読み合わせ、無理な移動や同時作業、避難経路の交差がないか確認します。転倒や体調不良などが起きた場合の中止合図、連絡先、集合場所も共有します。訓練中に実際の火災等が発生したときは、訓練を中止して実際の対応へ切り替えます。必要な事前通知や消防職員の指導依頼は、所在地を管轄する消防機関の案内に従います。
店舗・事業所で使う火災想定シナリオの進行例
次の表は、店舗内の火災を想定した参考例です。進行役と各担当を決め、施設名、出火場所、避難経路、集合場所を自分の施設の内容に置き換えます。表は場面を整理したもので、通報や避難を他の活動が終わるまで待たせる意味ではありません。
合図と担当者の動きを対応させた参考例
| 場面 | 進行役の合図の例 | 担当者の動きの例 |
|---|---|---|
| 火災の発見 | 「厨房付近で火災を発見した想定です」 | 発見者が周囲へ火災を知らせ、場所と状況を報告する |
| 通報・連絡 | 「通報と周囲への連絡を行ってください」 | 通報役が模擬通報を行い、必要な相手へ情報を伝える |
| 初期消火 | 「初期消火が困難になった想定です」 | 消火担当が状況を知らせ、安全を確保して避難する |
| 避難誘導 | 「設定した避難先へ誘導してください」 | 誘導役が客役へ声を掛け、安全な経路を案内する |
| 集合・報告 | 「集合場所で状況を確認してください」 | 担当が避難者の状況を確認し、責任者へ報告する |
この進行例は全国共通の決まった台本ではありません。各施設の消防計画、設備、利用者、勤務人数に合わせて調整してください。
実際の火や煙を使わずに状況を口頭等で示し、通報・器具の操作方法を事前に確認したうえで、安全を確保して実施します。
訓練後は、できたことと改善することを整理する
終了後は、火災の場所が伝わったか、担当者が迷わず動けたか、客役への声掛けが届いたか、集合後の人数確認ができたかを振り返ります。所要時間だけで評価せず、連絡の行き違いや使いにくい経路などを記録し、次回の想定や役割分担に反映しましょう。実施日、参加者、訓練内容、気付いた点を残すと、担当者が交代した後も継続しやすくなります。
弊所では、消防計画の作成経験があり、法定の消防訓練を年2回、継続して受託しています。施設の消防計画と勤務体制を踏まえ、届出や訓練内容の整理を含む継続的な実施を支援しています。消防設備の定期点検も点検業者と連携して承り、実際の設備点検は点検業者が担当します。
市川市の「防火・防災管理関係様式」には、自衛消防訓練通知書が掲載されており、現行様式は実施日の3日前までの提出を案内しています。オンライン届出も可能ですが、消防隊の派遣を伴う場合はオンライン受付の対象外です。消防隊の派遣を希望する場合や期限が迫っている場合は、管轄消防署へ確認してください。
市公式の「消防官マイスター」では、基本的な消防技術の動画を公開し、防火管理者が計画する消防訓練での活用も案内しています。教材を確認した後は、自分の施設の器具の位置や避難経路、担当者の動きへ結び付けましょう。市川市以外の千葉県内や東京都内では、所在地を管轄する消防機関の実施方法・通知方法を確認します。
消防訓練のシナリオについてよくあるご質問
消防訓練のシナリオは毎回同じでもよいですか?
基本を繰り返し、施設の変化や前回の課題を反映します
初めて参加する人がいる場合など、同じ基本動作を繰り返すことも大切です。そのうえで、人員、間取り、設備、営業時間などの変更や、前回うまくいかなかった点を反映しましょう。毎回すべてを変える必要はありませんが、台本を読むだけで終わらず、実際の施設で動けるかを確認します。
少人数の店舗でも担当を分ける必要がありますか?
人数に合った動きと連絡方法を具体化します
大きな施設の班編成をそのまま当てはめる必要はありません。消防計画に沿い、在店人数に応じて誰が知らせ、誰が誘導するかを整理します。一人が複数の役割を持つ場合も、同時に別の場所へ行くなど実行できない分担を避けます。テナントビルでは建物側の体制と合わせ、迷う点は防火管理者や管轄消防署へ確認してください。
消防署へ通知すれば、訓練の準備は完了ですか?
通知後も、担当・進行・安全対策の準備が必要です
訓練通知は、実際の訓練や施設に合ったシナリオ作成に代わるものではありません。担当者への周知、器具と避難経路の確認、通報方法の調整、終了後の記録まで準備します。消防職員の指導や派遣を希望する場合も、通知を提出しただけで手配が完了すると考えず、管轄消防署へ事前に相談してください。