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トップページ > 市川市の消防手続サポート > 消防訓練は年2回必要?対象・事前通知・実施記録を解説
執筆:行政書士 来嶋 功太(来嶋行政書士事務所) | 公開日:2026年9月28日 | 最終更新日:2026年10月14日
消防訓練は、すべての建物で一律に年2回行うものではありません。防火管理が必要な飲食店・店舗・ホテルなどでは、消火訓練と避難訓練を年2回以上行う必要があります。
回数を確認するだけでなく、消防署への事前通知、当日の実施、結果の記録まで準備することが大切です。対象の考え方と実施の流れ、市川市の届出方法、東京消防庁管内の記録保存について解説します。
消防訓練を年2回以上行う必要があるのは?
消防法施行規則第3条第10項は、特定用途の防火対象物の防火管理者に、消火訓練と避難訓練を年2回以上実施することを求めています。飲食店、物販店、ホテル、病院、一定の福祉施設などがある建物が対象となります。
まず、防火管理者の選任が必要な建物かを確認します。主な目安は、特定用途の建物では全体の収容人員30人以上、自力避難が著しく困難な方が入所する一定の社会福祉施設等を含む場合は10人以上です。収容人員は従業員数だけではありません。テナント単独の人数で判断せず、建物全体の用途や人数、管理の区分を確認する必要があります。
共同住宅や事務所などの非特定用途だけの建物でも、防火管理が必要な場合は訓練が必要です。消防計画に定めた回数を実施し、条例等による追加の定めも確認します。年2回の対象でないことと、訓練が不要であることは同じではありません。
消火訓練・避難訓練・通報訓練の違い
消防計画に沿って、火災発生時に必要な行動を練習します。3種類の訓練は目的が異なるため、何を実施するかを分けて確認しましょう。
消火訓練:初期消火の方法を確認する
消火器や屋内消火栓など、建物にある設備の場所と取扱いを確認し、初期消火の行動を練習します。年2回以上の義務がある対象では、この消火訓練を所定の回数実施します。消防用設備の点検・報告は別の手続であり、設備点検を受けても訓練を行ったことにはなりません。
避難訓練:安全に避難・誘導する動きを確認する
出火場所などを想定し、避難経路や出口、利用者への声かけ、誘導の役割を確認します。消火訓練と同じく、対象となる建物では年2回以上の実施が必要です。図面を見るだけで済ませず、実際の通路や階段に避難の妨げがないかも確認しましょう。
通報訓練:火災の周知と連絡を練習する
火災を周囲へ知らせ、消防機関へ場所や状況を伝える練習です。住所、出火場所、逃げ遅れた人の有無などを、落ち着いて伝えられるよう準備します。通報訓練まで全国一律に年2回以上とされているわけではなく、消防計画に定めた回数を実施します。
通知書は訓練の予定を知らせるもので、提出しただけで訓練を実施したことにはなりません。計画・通知・実施・記録を順に進めます。
STEP1 消防計画と訓練の予定を確認する
消防計画に定めた訓練の種類・回数・時期と、前回の実施記録を確認します。そのうえで、実施日、参加者、出火場所などの想定、初期消火・通報・避難誘導の担当を決めます。勤務時間や建物の利用状況を踏まえ、必要な人が参加できる予定を組みましょう。
STEP2 管轄の消防署へ事前に通知する
年2回以上の消火・避難訓練が必要な対象では、消防法施行規則第3条第11項に基づき、あらかじめ消防機関へ通報します。様式名、提出方法、提出期限は所在地の消防本部の案内で確認してください。東京消防庁では、資器材の借用や消防職員の立会いを希望する訓練は、電子申請ではなく管轄署への直接相談を案内しています。
STEP3 役割分担に沿って訓練を実施する
店舗や建物の実情に合わせ、準備した内容を実施します。通報訓練は、参加者同士で通報者役と受け手役に分かれる方法もあります。練習のために無断で119番へ電話せず、実際に消防機関と通話する訓練を希望する場合は、事前に管轄署と方法を調整し、訓練であることを明確に伝えます。
STEP4 実施結果を記録して次回へつなげる
実施日時・場所・想定・訓練内容・参加人数を記録し、うまくできた点と改善が必要な点を整理します。東京消防庁管内では、自衛消防訓練実施結果記録書を訓練日から3年間保存する義務があり、消防機関への提出は不要です。千葉県内を含む他の地域では、提出の要否や保存の取扱いを個別に確認します。
消防訓練を継続するための確認項目
1回の訓練が終わったら、記録を残して次回の予定へつなげます。次の5項目を確認すると、準備や引継ぎの抜けを見つけやすくなります。
消防訓練の継続管理チェック表
| 確認項目 | 確認する内容 | 確認の時期 |
|---|---|---|
| 年間の予定 | 必要な訓練の種類・回数・実施月 | 年間計画を立てるとき |
| 参加者・役割 | 参加予定者と消火・通報・誘導の担当 | 訓練の準備時 |
| 事前通知・調整 | 管轄署への通知と立会い等の調整 | 訓練の実施前 |
| 実施結果の記録 | 実施内容・参加人数・改善点 | 訓練の実施後 |
| 次回・引継ぎ | 次回の予定と記録の保管場所 | 実施後・担当者交代時 |
記録には予定ではなく、実際に行った内容を残します。担当者が交代しても、消防計画、前回の訓練記録、次回の予定を引き継げる状態にしておきましょう。
消防計画・消防訓練についてのご相談
弊所では、消防計画の作成に加え、法定の消防訓練を年2回、継続して受注しております。市川市を含む千葉県全域・東京都内の消防手続に対応しています。
消防訓練の準備や進め方でお困りの際は、建物の所在地・用途と、現在の消防計画や訓練の実施状況をお知らせください。消防計画の作成が必要な場合も含め、お気軽にご相談ください。
市川市は「自衛消防訓練通知書」の様式・記入例を公開しており、オンラインでの届出にも対応しています。市の「防火・防災管理関係様式」から案内を確認できます。訓練を行う建物を管轄する消防署と提出方法を確認して準備しましょう。
消防職員の立会いや訓練用資器材の利用を希望する場合は、通知書を出すだけで手配が済んだと考えず、早めに希望内容を伝えて確認してください。消防計画や前回の訓練記録を手元に用意すると、相談内容を整理しやすくなります。
消防訓練についてよくあるご質問
従業員が少ない飲食店でも消防訓練は必要ですか?
従業員数だけでは判断できません。
収容人員には、用途に応じて客席なども算入します。テナントの場合は建物全体の用途や収容人員も関係するため、店舗の従業員数だけで対象外と判断せず、防火管理の要否と消防計画を確認してください。
消防署の職員に立ち会ってもらう必要はありますか?
必ず立会いが必要とは限りません。
防火管理者の指導の下で実施することもできます。立会いの希望、資器材の借用、消防機関と実際に通話する訓練は、事前通知とは別に調整が必要な場合があるため、管轄署の案内に従って準備します。
千葉県内なら、どの市でも同じ書類を使えますか?
所在地の消防本部が案内する書類を使います。
同じ千葉県内でも、船橋市は「自衛消防訓練受報書」、柏市は「消防訓練通報書」と、書類名や受付方法が異なります。他市の様式や保存ルールをそのまま使わず、管轄の消防本部の案内を確認してください。
消防訓練を「年2回以上」行う根拠となる法令は何ですか?
消防法施行規則第3条第10項です(元になるのは消防法第8条)。
消防法第8条第1項は、防火管理者に消防計画の作成と、それに基づく消火・通報・避難の訓練の実施を求めています。これを受けて消防法施行令第3条の2第2項が、防火管理者は消防計画に基づいて消火・通報・避難の訓練を実施すると定め、消防法施行規則第3条第10項が、飲食店・物販店・ホテル・病院などの特定用途の防火対象物の防火管理者に、消火訓練と避難訓練を年2回以上実施するよう定めています。同条第11項は、この訓練を行うときに、あらかじめ消防機関へ通報することを求めています。
「年2回」は年度ですか、暦年ですか?いつから数えますか?
法令は「年2回以上」とだけ定め、区切りは消防計画によります。
消防法施行規則は「年2回以上」と定めるだけで、4月〜3月の年度で数えるか、1月〜12月で数えるかは決めていません。消防計画で定めた1年の区切りの中で2回以上行い、半年に1回程度の間隔を目安にすると偏りません。新しく防火管理者を選任した建物や開業したばかりの店舗では、選任・使用開始後なるべく早く1回目を行い、その後は半年ごとに続けます。消防署の立入検査では、直近の実施記録を確認されることがあります。
2回とも、消火訓練と避難訓練の両方を行う必要がありますか?
はい。消火訓練と避難訓練は、それぞれ年2回以上です。
年2回以上の義務は、消火訓練と避難訓練のそれぞれにかかります。同じ日に、初期消火の確認に続けて避難誘導を行えば、両方の訓練を1回ずつ実施したことになります。通報訓練は法令上の回数の定めがなく、消防計画で定めた回数を行いますが、消火・避難訓練と同じ日にまとめて行うのが一般的です。
事務所ビルや共同住宅など、非特定用途の建物では年何回ですか?
法令に回数の定めはなく、消防計画で定めた回数です。
事務所、工場、共同住宅(5項ロ)などの非特定用途の建物では、防火管理者の選任が必要な場合(原則として収容人員50人以上)に、消防計画で定めた回数の訓練を行います。年2回以上の定めは特定用途の建物だけで、非特定用途には法令上の回数の定めがありません。東京消防庁管内では消防計画に定めた回数(年1回以上)とされています。市川市など他の地域では、消防計画の定めと所轄消防署の案内に従ってください。
消防訓練を行わないと罰則はありますか?
直接の罰金はありませんが、命令の対象になり、命令違反には罰則があります。
訓練をしなかったこと自体に罰金の定めはありません。ただし、消防長や消防署長は、消防計画どおりに訓練などの防火管理業務が行われていないと認めるときは、管理権原者に必要な措置を命じることができ(消防法第8条第4項)、この命令に従わないと懲役または罰金の罰則があります。実際には、立入検査で未実施を指摘され、改善を求められることが多くあります。火災が起きたときに従業員が動けないことが最大の不利益なので、記録を残しながら続けることが大切です。