千葉県市川市の行政書士|暮らしと事業の手続きを支援
執筆:行政書士 来嶋 功太(来嶋行政書士事務所) | 公開日:2026年10月2日 | 最終更新日:2026年10月9日
消防訓練を実施していないことに気付いたら、消防計画と過去の記録を確認し、管轄消防署へ相談しながら実施日と内容を具体化します。通知書を出しただけで訓練を済ませたことにはできません。この記事では、未実施・一部のみ実施・記録が不明な場合を切り分け、担当者の確認から訓練の実施、記録、次回の管理までの流れを解説します。
未実施に気付いたら、消防計画と実施状況を確認する
まず、施設に必要な訓練の種類・回数と、実際に行った訓練を照らし合わせます。防火管理が必要な飲食店などの特定用途では、消火訓練と避難訓練は年2回以上が必要です。通報訓練や、非特定用途の消火・避難訓練は、消防計画に定めた回数を確認します。建物の用途や管理範囲が分からない場合は、管理会社や管轄消防署へ確認してください。
未実施のまま次の予定まで放置せず、最後に実施した時期、できていない内容、今後の実施案を整理します。消防署から指導を受けている場合は、その書類や担当者の案内も確認しましょう。過去に実施したことにする記録や、実際とは異なる日付の記録を作らず、分かっている事実と未確認事項を分けて伝えることが大切です。
訓練の状況を3つに切り分ける
「今年は訓練をしていないと思う」という認識だけで判断せず、防火管理者、前任者、管理会社に確認します。建物全体の訓練へ参加した場合も、自施設の参加者や実施内容が分かる資料を探しましょう。
訓練をまったく実施していない場合
最後の実施日と、訓練を行っていない期間を確認します。担当者不在、日程調整の難しさ、準備不足など、実施できなかった事情も整理してください。理由を記録するだけで終わらせず、防火管理者を中心に準備を始め、管轄消防署へ現状と今後の日程を相談します。実施日が未定の場合も、相談を先延ばしにせず、決めるために必要な確認を進めましょう。
一部だけ実施した、または回数が足りない場合
行った訓練を消火・通報・避難などの内容別に整理し、実施日と参加者を確認します。消火器の取扱いだけを練習した場合などは、それだけで必要な訓練をすべて終えたと判断しないでください。消防計画と照らして不足する内容や回数を把握し、今後の実施内容を管轄消防署へ相談します。過去の不足が今回の実施だけで解消するとは決めつけません。
実施したかどうか、記録から確認できない場合
訓練記録、参加者名簿、日程表、写真、前任者との連絡記録などを確認します。事前の通知書や予定表だけでは、実際に実施した証拠として十分とは限りません。記録がないことだけで未実施と断定せず、関係者に事実を確かめてください。確認できた内容と不明な点を分け、記録を整える際も、推測で実施日・参加人数・訓練内容を埋めないようにします。
訓練を実施できる状態へ戻すには、日程だけでなく、担当者、参加者、場所、通知、当日の安全確保まで決める必要があります。消防署から具体的な指導がある場合は、その内容を関係者で共有して進めます。
STEP1 資料と施設側の担当者を確認する
現行の消防計画、平面図、過去の訓練記録を集め、防火管理者と連絡担当者を確認します。防火管理の最終的な責任は管理権原者にあり、防火管理者が消防計画に基づく訓練等を担います。外部へ実施支援を依頼しても、施設側の役割や責任がなくなるわけではありません。管理会社や支援者との調整窓口も決めておきましょう。
STEP2 管轄消防署へ相談し、日程と内容を決める
建物の所在地・用途、最後の訓練、未実施または不足している内容を伝え、今後の対応を確認します。候補日、参加できる人数、営業中に行うかなども整理しておくと相談が進みます。消防署の指導や立会いを希望するときは、対応の可否と調整方法を別に確認してください。依頼しただけで来てもらえるとは考えず、施設側で準備する内容と合わせて決めます。
STEP3 事前通知と準備を整え、訓練を実施する
管轄消防署の案内に従って必要な事前通知を行い、従業員へ日時・役割・集合場所を伝えます。避難経路や使用する器具、訓練中の営業・来客への対応を確認し、無理なく安全に実施できる内容へ整えてください。訓練用の通報方法も確認し、訓練のために無断で119番へ電話しないようにします。当日は、予定した内容と実際にできた内容を区別して把握しましょう。
STEP4 実績を記録し、次の訓練につなげる
実施した日時、訓練内容、参加者、気付いた課題を記録し、未実施の内容が残った場合は対応予定を決めます。通知書の控えと実施記録を区別して保管し、防火管理者が交代しても確認できるようにします。東京消防庁の案内では、訓練結果の記録は実施した日から3年間保存し、消防署への提出は不要とされています。他の地域へ一律に当てはめず、保存や報告の取扱いは管轄の案内を確認してください。
相談前にそろえたい資料と確認事項
資料がすべてそろうまで相談を待つ必要はありません。手元にあるもの、不足しているもの、関係者へ確認中のものを分けましょう。次の表は訓練の状況と今後の準備を整理するための例で、一律の法定添付書類一覧ではありません。
訓練の再開に向けて確認したい5項目
| 確認項目 | 用意する資料の例 | 確かめること |
|---|---|---|
| 消防計画と担当者 | 現行の計画・担当者一覧 | 必要な訓練・回数・連絡窓口 |
| 過去の実施状況 | 訓練記録・参加者名簿・写真 | 実施日・内容・不明な事項 |
| 施設と勤務体制 | 平面図・営業時間・勤務表 | 避難経路・参加者・役割 |
| 消防署とのやり取り | 通知書の控え・指導の記録 | 指導内容・相談事項・期限 |
| 今後の実施予定 | 候補日・準備項目・連絡表 | 実施日・通知・準備の担当 |
上表は相談や準備のための確認例です。手元にない資料は、管理会社や前任者にも確認してください。
事前通知と実施後の記録を区別し、実施していない訓練や確認できない実績を記録に加えないようにします。
担当者と次回予定を共有し、訓練を継続する
今回の訓練を終えたら、次回の候補日と準備開始日を決め、通知、従業員への連絡、記録の保管まで担当を明確にします。繁忙期や勤務体制も踏まえ、一人の担当者だけに予定を任せないことが大切です。欠席者や未実施の内容への対応、訓練で見つかった課題も共有し、次の準備に引き継ぎましょう。
弊所では、消防訓練の実施支援や継続した訓練の受託に対応しています。施設の状況とご希望を伺い、準備や必要書類の整理など、対応する範囲と施設側で行う作業を確認して進めます。市川市を含む千葉県全域・東京都内のご相談に対応しています。日程や体制に不安がある場合も、現在の消防計画と実施状況を整理したうえでご相談ください。
市川市の自衛消防訓練通知書は、届出者を防火管理者とし、訓練実施日の3日前までに提出するよう案内しています。未実施に気付いて予定日が近い場合は、そのまま日付をさかのぼらせるのではなく、管轄消防署へ事情と予定を伝えて相談してください。指導や立会いを希望する場合も、通知書を提出すれば当然に受けられると判断せず、事前に調整します。
市川市は、自衛消防訓練の通知についてオンライン申請にも対応しています。建物所在地の管轄と利用する手続を確認し、送信内容や受付結果を施設内で保管しましょう。通知後に日程や内容が変わった場合の対応も管轄消防署へ確認します。市川市の提出期限や方法を他の自治体の訓練へ一律に当てはめず、それぞれの最新案内に従ってください。
消防訓練の未実施についてよくあるご質問
昨年実施しなかった分を、今年まとめて行えばよいですか?
過去の不足を一律に解消できるとは限りません
今年実施した訓練を、昨年の実績として扱うことはできません。未実施の期間と内容を整理し、今後の実施日程や必要な対応を管轄消防署へ相談してください。実際に行った日時で記録を残し、今後も消防計画に基づいて継続できる体制を整えます。
消防署へ通知書を出していれば、訓練を実施したことになりますか?
事前の通知と訓練の実施は別です
通知は予定する訓練を伝えるための手続であり、提出だけで実施を終えたことにはなりません。中止や延期をした場合は、通知内容の取扱いを管轄消防署へ確認し、改めて実施日を調整しましょう。実施後は、通知書の内容をそのまま写すのではなく、実際の参加者や訓練内容を記録します。
消防署の立会いがなければ、消防訓練はできませんか?
施設側で行う訓練と消防署の指導・立会いは分けて考えます
消防職員の立会いをすべての訓練の前提とせず、消防計画に沿って施設側で準備し、実施する内容を確認します。指導や立会いが必要か、希望する場合に対応できるかは、管轄消防署へ相談してください。支援を頼む場合も、参加者の調整や日常の防火管理など、施設側で担うことを整理しておきましょう。