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飲食店を開業するには、店舗の所在地を管轄する保健所へ飲食店営業許可を申請し、施設基準を満たしていることについて検査を受ける必要があります。物件を契約して工事を進めた後に設備不足が判明すると、追加工事や開業延期につながるため、計画段階で図面を用意して事前相談することが重要です。この記事では、飲食店営業許可の概要、主な要件、申請の流れ、必要書類、取得後の注意点を解説します。
飲食店営業許可とは
飲食店営業許可は、飲食店などで食品を調理して提供する営業を始める際に、食品衛生法に基づいて受ける許可です。営業所の所在地を管轄する保健所へ申請し、申請内容の審査と現地検査によって施設等が基準に適合していることが確認された後に営業が許可されます。許可の取得に加え、原則として施設ごとに食品衛生責任者を設置し、HACCPに沿った衛生管理を継続する必要があります。
飲食店営業許可では、店舗の設備だけでなく、営業中の衛生管理体制も確認します。特に、施設基準への適合、食品衛生責任者の設置、HACCPに沿った衛生管理の三つを開業前に整理しておくことが大切です。
営業施設は、作業区分に応じた区画、手洗い設備、洗浄設備、給排水設備、冷蔵・冷凍設備、換気、便所、原材料や薬剤の保管設備などについて、条例で定められた基準を満たす必要があります。取扱食品や調理工程によって必要な設備が変わるため、内装工事を始める前に、厨房や客席、設備の配置が分かる図面を持参して保健所へ相談しましょう。
飲食店では、原則として施設ごとに食品衛生責任者を定めます。調理師、製菓衛生師、栄養士などの有資格者のほか、都道府県知事等が行う、または適正と認める養成講習会を修了した方などが食品衛生責任者になることができます。申請時には、資格要件や講習会の名称、受講日などを確認できるようにしておきます。
令和3年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められています。飲食店では、店舗の規模や取扱食品に応じて衛生管理計画を作成し、従業員に周知したうえで、日々の実施状況を記録・保存します。小規模な飲食店は、厚生労働省が内容を確認した業種別手引書を参考に取り組むことができます。
飲食店営業許可は、営業所所在地を管轄する保健所への事前相談から許可の決定まで、次の4STEPで進めます。営業形態、取扱食品、自治体の運用によって必要書類や申請方法が異なるため、開業予定日から逆算して余裕をもって準備しましょう。
店舗の工事着工前に、営業内容と施設の概要が分かる図面を用意し、営業所所在地を管轄する保健所へ相談します。営業の種類を確認し、予定している厨房や設備が施設基準を満たせるかを確認します。
営業許可申請書・営業届、施設の構造及び設備を示す図面などを提出し、申請手数料を納付します。水道水以外の水を使用する場合は、水質検査の成績書も準備します。
保健所の担当者と日程を調整し、完成した店舗の現地検査を受けます。申請図面どおりに設備が設置され、施設基準を満たしているか確認されます。不備がある場合は、改善後に再確認が必要です。
施設基準への適合が確認されると営業が許可され、後日、営業許可証が交付されます。許可が決定する前に営業を開始しないよう、開業日には余裕をもたせて計画しましょう。
固定店舗の新規申請で確認する主な書類・情報は次のとおりです。営業内容や施設の形態により追加資料が必要になることがあるため、事前相談時に確認してください。
飲食店営業許可申請の必要書類・情報
| 書類・情報 | 主な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 営業許可申請書・営業届 | 申請者、営業施設、営業内容などを記載する | 申請書の記載内容に基づいて許可証が発行される |
| 施設の構造及び設備を示す図面 | 厨房や手洗い設備などの配置を示す | 工事着工前に図面を持参して事前相談する |
| 水質検査の成績書 | 使用する水が飲用に適することを確認する | 井戸水など水道水以外の水を使用する場合に準備する |
| 食品衛生責任者の資格情報 | 資格要件や養成講習会の名称、受講日を確認する | 証明書等の添付は不要だが、確認できるものを準備する |
| 申請手数料 | 営業の種類に応じた手数料を納付する | 申請時点の金額と納付方法を確認する |
この表は固定店舗の一般的な新規申請を想定したものです。法人の場合は法人番号を確認できるようにし、営業内容によっては追加の許可や資料が必要になる場合があります。申請手数料や納付方法は自治体や申請時期により異なることがあるため、申請時点で営業所所在地を管轄する保健所の案内を確認してください。
営業許可には有効期間があり、期間満了後も営業を続ける場合は継続申請が必要です。申請者、法人名、代表者、屋号、食品衛生責任者、施設などに変更が生じた場合は、変更内容に応じて届出や新たな許可が必要になることがあります。また、営業開始後もHACCPに沿った衛生管理を継続し、衛生管理計画や実施記録を定期的に見直しましょう。
市川市内の固定店舗は、市川保健所(市川健康福祉センター)生活衛生課が申請窓口です。市川保健所の案内では、業種や図面の事前相談後、書面または厚生労働省の食品衛生申請等システムで申請し、施設検査を経て許可・許可証交付へ進みます。新規申請の主な書類は、営業許可申請書・営業届、施設の構造及び設備を示す図面、水道水以外の水を使用する場合の水質検査成績書で、申請手数料も必要です。固定店舗の施設検査は原則として平日の火曜日または金曜日に実施され、時間指定はできません。申請内容や施設形態により必要書類や日程が異なるため、工事着工前に市川保健所へ相談してください。
飲食店営業許可に関するよくあるご質問
店舗の工事を始めてから保健所へ相談してもよいですか?
工事着工前の事前相談をおすすめします
営業の種類や取扱食品によって必要な施設・設備が異なります。工事後に基準不足が判明すると追加工事が必要になるため、店舗の概要が分かる図面を用意し、工事着工前に営業所所在地を管轄する保健所へ相談することが大切です。
調理師免許がなくても飲食店を開業できますか?
調理師免許がなくても申請できます
飲食店営業許可の申請者本人に調理師免許が必須というわけではありません。ただし、施設ごとに食品衛生責任者を定める必要があります。調理師等の資格がない場合でも、所定の食品衛生責任者養成講習会を修了するなどの方法があります。
営業許可を申請すればすぐに営業を始められますか?
許可の決定前には営業を開始できません
申請後は施設検査を受け、施設基準への適合が確認されてから営業が許可されます。書類の不備や設備の改善が必要になることもあるため、開業予定日から逆算して余裕をもって申請してください。