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防火対象物点検報告制度とは?消防用設備等点検との違いを解説
防火対象物点検報告制度は、一定の防火対象物について、防火管理上必要な事項が消防法令に適合しているかを資格者が点検し、その結果を消防機関へ報告する制度です。消火器や自動火災報知設備などを確認する「消防用設備等点検」とは、点検する対象も根拠条文も異なります。
本記事では、防火対象物点検が必要となる建物の条件、点検・報告の流れ、消防用設備等点検との違い、千葉県・東京都で報告する際の確認事項を解説します。
防火対象物点検報告制度とは?
消防法第8条の2の2に基づき、一定の防火対象物の管理権原者が、防火対象物点検資格者に防火管理上必要な業務や火災予防上必要な事項を点検させ、その結果を消防長または消防署長へ報告する制度です。
点検では、防火管理者の選任、消防計画に基づく訓練、避難施設の管理、火気使用設備の管理などを確認します。消防用設備そのものの機能を点検する制度ではないため、対象となる建物では消防用設備等点検も別に行う必要があります。
点検・報告で確認する3つの基本
防火対象物点検報告の対象と義務を判断するときは、建物の用途・収容人員・階段の状況を確認したうえで、誰が点検し、いつまでに報告するかを整理します。
一定の特定用途防火対象物が対象
対象は、防火管理者の選任義務がある特定用途防火対象物のうち、収容人員が300人以上のもの、または地階・3階以上に飲食店などの特定用途があり、屋内階段が1系統のみのものです。飲食店、物品販売店舗、ホテル、病院などが特定用途に含まれますが、最終判断は建物全体の用途構成や避難経路を含めて行います。
防火対象物点検資格者が1年に1回点検
点検は、防火対象物点検資格者が1年に1回実施します。点検資格者は、防火管理上必要な業務や火災予防上必要な事項が点検基準に適合しているかを確認し、管理権原者がその結果を消防機関へ報告します。
消防用設備等点検とは別に必要
防火対象物点検は、防火管理の体制や避難施設等の管理状況を確認する制度です。一方、消防用設備等点検は、消火器、自動火災報知設備、誘導灯などの設備が正常に機能するかを確認する制度です。両方の対象になる建物では、どちらか一方の実施や報告で他方を代替できません。
対象判定から報告書の保管まで、次の4段階で進めます。建物全体の用途や収容人員が分からない場合は、テナント単独で判断せず、建物所有者・管理会社や所轄消防署へ確認します。
STEP1 対象となる防火対象物か確認
用途・収容人員・階数・階段の数と種類を確認します。
STEP2 防火対象物点検資格者へ依頼
建物資料や消防計画等を用意し、資格者による点検日を調整します。
STEP3 不備を是正して報告書を作成
点検で指摘された事項を是正し、必要な点検票と報告書を整えます。
STEP4 所轄消防署へ報告
管理権原者が点検結果を報告し、控えと関係資料を保管します。
防火対象物点検と消防用設備等点検の違い
名称が似ていますが、確認する対象、点検実施者、周期、報告周期が異なります。次の表で整理します。
防火対象物点検と消防用設備等点検の比較
| 比較項目 | 防火対象物点検 | 消防用設備等点検 |
|---|---|---|
| 点検対象 | 防火管理上必要な業務・避難施設等の管理 | 消火器・自動火災報知設備・誘導灯等 |
| 実施者 | 防火対象物点検資格者 | 一定の対象物は消防設備士・消防設備点検資格者 |
| 点検周期 | 1年に1回 | 機器点検6か月に1回・総合点検1年に1回 |
| 報告周期 | 1年に1回 | 特定防火対象物は1年に1回・その他は3年に1回 |
| 主な対象 | 法令で定める一定の特定用途防火対象物 | 消防用設備等が設置された防火対象物 |
防火対象物点検報告の対象であっても、消防用設備等点検報告は別制度として必要です。
点検結果に不備がある場合は、報告書を提出するだけでなく、是正内容と対応時期も確認しましょう。
防火対象物点検報告の特例認定を受ける場合
管理を開始してから3年以上が経過し、過去3年間の点検報告や消防法令の遵守状況など一定の要件を満たす場合は、管理権原者が特例認定を申請できます。消防署の検査で適合と認められると、認定後3年間は防火対象物点検と報告が免除されます。
ただし、特例認定を受けても消防用設備等点検報告が免除されるわけではありません。管理権原者の変更時には届出が必要となるため、変更前後の管理体制も確認します。
点検結果は、防火対象物を管轄する消防署へ報告します。市川市では、防火対象物点検結果報告書に点検票その1~5と市川市用の点検票を添付し、オンラインでの報告にも対応しています。
東京都内は東京消防庁の案内に従い、管轄消防署へ報告します。提出様式や電子申請の取扱いは地域によって異なるため、点検前に管轄消防署の最新案内を確認してください。
防火対象物点検報告制度についてよくある質問
防火対象物点検はすべての飲食店に必要ですか?
すべての飲食店が対象になるわけではありません
防火管理者の選任義務がある特定用途防火対象物のうち、収容人員や階段の条件に該当する場合が対象です。テナントだけでなく建物全体の用途と避難経路を確認してください。
消防用設備等点検をしていれば防火対象物点検は不要ですか?
両制度の対象なら、それぞれの点検と報告が必要です
点検する対象と根拠が異なるため、一方で他方を代替できません。防火管理の状況と消防用設備の機能を別々に確認します。
特例認定を受けると何が免除されますか?
認定後3年間、防火対象物点検と報告が免除されます
一定の要件を満たして消防署の検査に適合した場合に限られます。消防用設備等点検報告など、別の消防法上の義務まで免除されるわけではありません。